PESOモデルで考える採用マーケティング(前編)

PESOモデルで考える採用マーケティング(前編)

2021年10月20日
コラム

「採用はマーケティングである」という認識は、今や採用ご担当者様の間では周知のものとして認識されています。ただ、「採用=マーケティング」とは言いながらも、具体的な施策に落とし込もうとした場合、今一つピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は、マーケティング活動の中でも「宣伝媒体」の分野に焦点を当て、様々なメディアの特性を「PESOモデル」に沿って分類し、採用現場の事例にあてはめて解説していこうと思います。

「PESOモデル」とは?

「PESO」モデルとは、従来、「Paid Media(ペイドメディア)」、「Owned Media(オウンドメディア)」「Earned Media(アーンドメディア)」、の「トリプルメディア」と呼ばれているものに、「Shared Media(シェアードメディア)」を加え、それぞれの頭文字をとったもので、情報を伝播させる力、自社での統制の困難さ、コストなどの観点でそれぞれに特徴があります。以降で4つのメディアの特徴を見ていきましょう。

ペイドメディアの特徴と事例

まず初めにペイドメディアから見ていきましょう。ペイドメディアとは「企業が広告費用を購入して得た出稿スペース上で運用するメディア」のことです。代表的なものは、テレビCMや新聞/雑誌の広告欄などのマスメディア広告や、リスティング広告などのインターネット広告です。ペイドメディア特徴は、不特定多数にリーチすることができ、即効性が高く、広告の出し方やその手法を広告主側で決めることが出来ることにあります。また、不特定多数といっても、インターネット広告ではWeb上の行動履歴や属性などを元にして、対象となる人をしぼって配信することできます。一方で、多くの場合、効果は掲載期間中に限られ、掲載は多額のコスト(広告費)を必要とします。採用シーンでは、新卒採用における「リクナビ」「マイナビ」、中途採用では「リクナビNEXT」「en転職」「Indeed」などが挙げられます。

アーンドメディアの特徴と事例

次にアーンドメディアは、かつては「雑誌・テレビなどで紹介されたり 、SNS等で拡散されたりすることで、消費者からの共感を獲得するメディア」とされ、ペイドメディア、オウンドメディアとならび「トリプルメディア」とされていました。この内、SNSなど消費者による拡散が、後述のシェアードメディアとして細分化され、現在は媒体サイドによって取り上げられ拡散されるものをアーンドメディアと呼ぶようになっています。 メディア側によって取り上げられるので、ペイドメディアのように多額の費用が発生することもなく、ポジティブに取り上げられることで、自社のブランディング強化への寄与が期待できますが、内容の取り上げられ方については企業側でコントロールできないため、悪評につながることもあり得ます。いわゆる口コミサイトなどもこの一種といえ、採用シーンでは、「Rakutenみん就」や「オープンワーク」などが挙げられます(口コミサイトはシェアードメディアと捉える方もいます)。

シェアードメディアの特徴と事例

シェアードメディアはアーンドメディアが「パブリシティ上での拡散」であるのに対して、ソーシャルメディア(SNS)等における「消費者による拡散」を指しています。SNS=シェアードメディアと捉えても良いでしょう。身近な人や社会的に信頼関係を構築している人からの口コミや評価は、アーンドメディアよりも強力にその企業やサービスへのエンゲージメントを向上させることが期待できます。


代表的なサービスとしてFacebookやInstagram、Twitterなどはもちろん、ビジネスSNSとしてLinkedinやWantedlyなどが挙げられます。ペイドメディアと比較をすると、コストがかからず、強力にブランディングができる一方で、自社では情報のコントロールが難しく、悪い評判が意図せずに拡散されてしまえば大きくブランドを棄損してしまう恐れもあります。

オウンドメディアの特徴と事例

最後がオウンドメディアです。オウンドメディア(Owned Media)とは「自社で保有しているメディア」の全てを指します。例えば紙のパンフレットなども広くはオウンドメディアの一つといえるでしょう。ただ、近年では、ホームページ、さらには定期的な情報発信を行っている企業ブログなどを指している場合が多いです。自社で運用しているので、情報の内容や見せ方は当然ながら思い通りに制作することができる一方で、情報の拡散力は小さく、多くの人の目に触れてもらうためには、時間と労力を要します。また、企業ブランドは一朝一夕に確立できるものではなく、主体性、一貫性をもって中長期的に成長させていく必要があり、また、しっかり更新し、運用していかなければブランディングにつなげていくことは難しく、手間やコストも比例して大きくなっていきます。 オウンドメディアの採用シーンにおける事例では、自社ホームページ内の「採用情報」が分かりやすいですが、昨今では、この採用情報を「採用を目的としたメディア」と捉え、募集要項等を常に最新の状態に更新しておくことはもちろん、自社の社員の働きぶりを取り上げる記事や、自社のエンジニア自身により運営されているブログ記事などを頻繁に更新、掲載したり、自社の強みや特徴を図や数字を使って短時間でわかりやすく見せるなど、内容と更新頻度を充実させている企業が増加しています。

以上、「PESOモデル」におけるそれぞれのメディアをご紹介してきました。以下がそれぞれの特徴を整理した図になります。

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実際には、この4つのメディアの特徴を踏まえ、組み合わせによって効果的な採用広報を実現する必要があります。次回はその方法について考えていきましょう。