PESOモデルで考える採用マーケティング(後編)

PESOモデルで考える採用マーケティング(後編)

「PESOモデルで考える」採用マーケティング。前編ではPESOモデルとは何か、また、それぞれのメディアの持つ特徴について解説しました。後編ではいよいよ、各メディアを組み合わせて効率的な採用広報を行っていく方法を考えていきます。

4つのメディアの組み合わせ方は多様

前編のおさらいのようになりますが、「PESOモデル」とは「Paid Media(ペイドメディア)」、「Earned Media(アーンドメディア)」「Shared Media(シェアードメディア)」「Owned Media(オウンドメディア)」の4つのメディアを指し、それぞれに図のような特徴があります。

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実際のマーケティング活動は、それぞれの特徴を活かし、組み合わせて活用していくことになりますが、その組み合わせ方は多様です。

例えば、インパクトのあるCM(ペイドメディア)を打って、それをTVの情報番組(アーンドメディア)に取り上げられるように仕掛け、多くの来訪者をキャンペーンサイト(オウンドメディア)に呼び込み、その話題がSNS(シェードメディア)に取り上げられることを狙う、といったやり方もあれば、面白いWeb動画(オウンドメディア)がSNS(シェアードメディア)で話題を呼び、それをTV(アーンドメディア)が「話題の動画」などと取り上げられたタイミングで、「SNSやTVで話題沸騰!」と広告(ペイドメディア)でさらにその効果を広げていくというやり方も考えられます。

こうした組み合わせは、商材の特徴や出したい効果によって変わってきます。例えば価格の安い食品や日用品なのか、高級車や住宅といった高価なものなのか、有形商材か無形商材か、新商品の立ち上げ期なのか定番商品の売り上げを回復させたいのか、一般消費者向けか企業向けか、といったことが組み合わせや仕掛け方を検討する上で考慮すべきポイントになってくるでしょう。

採用マーケティングでのPESOモデルの組み合わせ

では、採用マーケティングにおける組み合わせを考えてみましょう。採用をマーケティング、つまり「商品の販売活動」と捉える場合、少し違和感を感じるかもしれませんが、「販売する商品」とは「その会社の一員になること」と捉えることができます。この例に従えば、中途採用における「募集職種」は「商品ラインナップ」といえるでしょう。次にこの商品の特徴を考えてみると、老若男女誰にでも数多く買って欲しい商品ではなく、また、買う側(求職者)にも、そして売る側(求人企業)にも、その後の人生や企業業績に大きな影響を与えます。また、多くの場合、人生において何度も何度も買うようなものではなく、買う側と売る側との間で商品に関して持っている情報に、大きな差がある(経済学の用語で「情報の非対称性」と呼ばれます)といった点が挙げられます。

このような特徴を踏まえると、基本的なマーケティング戦略は「自社が想定する「買ってもらいたい人たち」に、よく商品のことを理解した上で買ってもらえるようにする」ということになります。

そのためには、まず、常日頃から商品(募集職種)、さらに言えばその商品を提供している企業そのものの戦略や想いを理解してもらうための場(オウンドメディア)を用意し、自社サイトやSNSの企業アカウントなどを通じて不断に発信することで商品や企業への理解や共感を得ます。これが、SNS(シェアードメディア)を通じて少しずつ拡散されたり、ビジネス系のメディア(アーンドメディア)に「働き方改革の先進企業事例」などといった形で取り上げられたりすることで、情報を届けたい人たちに中心に理解が広まっていきます。


さらに、急募の案件や大量な人数を必要とする場合などには、そのタイミングで求人メディア(ペイドメディア)などで拡散性を広げ、より広範囲な募集を募る、といった手法が考えられるでしょう。

最も重要なのはオウンドメディアにおける情報発信

上記はあくまでパターンの一つであり、企業の状況やタイミング、新卒採用なのか中途採用なのか、また競合企業の募集状況等によっても、大きく変わってきます。
ただ、ペイドメディアで不特定多数に向けた発信を行うにしても、アーンドメディアやシェアードメディアで取りあげられるにしても、その根幹となるのは「自社の思想や強み、実際の取り組みに対する、応募者の理解と共感」であり、その点において「オウンドメディアでどんな情報を発信するのか」は最も重要な検討ポイントとなります。
特に、現在は人々の価値観が多様化し、「いい会社」の定義が人によって大きく異なります。また企業側も、変化の激しい経済環境の中で「欲しいスキルや人材像」がドラスティックに変化していきます。このような時代においては、応募者と企業のベストなマッチングは奇跡ともいえる出来事なのかもしれません。そして、その奇跡を必然に変えていくためには、「継続的に最新の情報を発信し続ける」ためのオウンドメディアの設計と運営はこれまで以上に重要となっていくことでしょう。

前後編に渡ってお伝えした「PESOモデルで考える採用マーケティング」、いかがでしたでしょうか?

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