目次
内定者懇親会の目的と重要性とは
内定者懇親会は、内定者と企業が、初めて関係を築く最初のステップとなる重要なイベントです。
内定者懇親会では“企業の価値観やビジョンを知る機会”、“新しい環境に対する不安の軽減”、“社内でのコミュニケーション”など、入社後のイメージや雰囲気を体感できること、自分が選んだ企業で働くことへの安心感を得られたり、自信を深めることが期待できます。
採用担当者にとっては、「早期の離職防止」に効果がある内定者懇親会は採用活動の一環として重要でしょう。入社後の定着率向上に期待できるため、実施する企業が増えています。
開催のメリットは「早期退職の防止」
内定者懇親会の開催には、採用担当者の大きな悩みである“早期退職”の発生を防ぐ効果があるようです。
早期退職のトリガーには「入社後ギャップ」があり、
①面接や求人情報で説明された内容と実際の業務内容が異なる場合、
②職場の雰囲気や人間関係が期待と異なる場合、
③給与や勤務時間、福利厚生などが期待と異なる場合、
④キャリアパスや成長機会が期待できない場合、などに発生しやすいと言われています。
①を例にした場合、面接時に説明があった内容以外の業務が発生した場合、育成担当者や上長は「経験のため」「いずれ覚える業務だから」と良かれと思って指導するかもしれません。一方で、入社したばかりのエンゲージメントが新入社員にとって、「断れない立場なのにどうしたら良いか」という悩みやストレスに繋がったり、「一度了承すると違う業務が続いてしまうのではないか」といった不安感を招く恐れがあります。
「入社後ギャップ」は、新入社員が相談できる関係性が築ければ、回避できる可能性もあるため、社員交流のきっかけを提供する「内定者懇親会」が注目されています。
内定者懇親会で実施するアイスブレイクおすすめ3選
内定者懇親会で参加者同士がコミュニケーションを取るきっかけとして、「グループワーク」や「チームビルディングアクティビティ」を取り入れると効果的です。
全員が参加できるアクティビティをプログラムに取り入れることで、話題作りに困らず、自然と会話が生まれる環境を提供できるでしょう。
注意点としては、グループ分けを行う際、元々の積極性や慎重な性格が作用する可能性があるため、緊張が溶けてから行うこともお勧めです。
おすすめ アイスブレイク①【自己紹介】 ミュートで挨拶
オンライン、オフライン、どちらの形式の懇親会でも実施可能なアイスブレイクです。
自己紹介を行う人は「私の名前は・・・」「出身地は・・・」と、前半のテンプレート部分のみを音声有で行い、後半をミュート(口パク)で行います。
自己紹介をされている参加者は、口の動きだけで何と言っているかを当てる自己紹介ゲームです。
ヒントや質問タイムを設け、参加者同士のコミュニケーションを活発化させるアクティビティです。
応用として、「実は、私は〇〇です」といった個性をメインとした自己紹介も、簡単にできて場が盛り上がるとして人気です。
おすすめ アイスブレイク②【パターン思考・個性診断】類人猿分類
経済ドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」で紹介された個性診断をご紹介します。
診断は、5つの質問に回答するだけの簡単な内容です。回答から4つのタイプに分類され、自己の思考パターンと同僚や他者の思考パターンを知る事ができます。
どのタイプも長所・短所があることや、自己理解が深まることで他者との違いに気付けるアクティビティです。
番組で放送された、あるスーパーでの研修風景では、診断結果でグループ分けがされ、ディスカッションやチームワークを競いました。
同じタイプでグループ分けをされた際は、コミュニケーションが円滑に進む一方で、課題をクリアすることに苦戦する場面も。同じタイプで構成されたグループよりも違うタイプが混ざっているグループが早く課題をクリアするといった結果が実証され、当時話題となりました。
人材活用や研修でも人気の個性診断です。
参照:類人猿分類公式サイト https://gorihiya.yakan-hiko.com/
類人猿分類公式マニュアル2.0 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ
ガイアの夜明け(2015年6月23日放映 快進撃スーパーの裏側 驚きの人材力!)
おすすめ アイスブレイク③【社員交流】社員プロフィールクイズ
先輩社員の特技や趣味など、業務中に質問できないプライベートな内容をクイズ形式で紹介。社員全体のコミュニケーションを推進します。
「この特技を持っているのは誰?」「この趣味は誰?」など、役員や先輩社員を巻き込んで実施することで、交流が発展しづらい先輩社員との交流きっかけが期待できること、意外な共通点の発見にも繋がります。
このように全員が参加できるゲームは、初対面でも緊張せずに楽しめる時間となるでしょう。
社員同士の交流は、一人ひとりのモチベーションアップにつながり、入社後に直面する様々な課題を乗り越える大きな支えとなります。結果として、新しい職場で安心、自信をもって働くことが期待できます。
内定者懇親会の開催と成功のポイント
内定者懇親会の参加人数は、座談会のように少人数で実施するよりも多く参加してもらうことで「コミュニケーションの場が広がる」「全体としての一体感が増す」といった効果が得られやすくなります。
参加人数に応じ、オフライン、オンライン形式にするか、社内スペースか・会場を選定するか、といった準備が始まっていきます。懇親会開催準備に向けた注意点、成功ポイントについてさらに詳しくご紹介します。
内定者懇親会の開催準備と運営におけるポイント

【ポイント①】該当者全員へ、スケジュール確認
懇親会開催の理想は、可能な限り全員が参加できる日程を調整することです。内定者一人ひとりの都合を確認しましょう。
その際、料理を提供する予定がある場合は、アレルギーのあり・なしを聞いておくとスムーズです。
参加者が持つ疑問についても事前にヒアリングしておくことで、当日も滞りなく進行できるでしょう。

【ポイント②】開催場所別のトラブル回避を用意
オンライン形式で開催する場合、通信環境やプラットフォームの使い方について、カメラやマイクの動作チェックを事前に呼びかけましょう。
音が聞こえない等、当日のトラブル回避のために参加者に連絡がつく携帯を手元に用意してもらうことも必要です。
オフラインで開催する場合、当日の公共交通状況など、突発的なトラブルがあった場合の開催者側の連絡窓口を通知する必要があります。

【ポイント③】進行役司会者を配置、プログラムと時間配分
進行役と時間配分を決めることで、全体のスムーズな流れを確保しましょう。
プログラムの中に、席の移動時間、休憩時間など、当日時間調整ができる項目を盛り込むと安心です。
以上のような準備と運営におけるポイントをしっかり押さえ、内定者懇親会を成功させましょう。
参加リマインドと出席ガイドラインの作成
内定者懇親会は、参加率が高いほど高評価が得やすく、積極的に関わることで初期段階から強いつながりを築くことができます。
では、どのように参加率を上げるか、リマインド通知や出席のガイドラインを活用する例を見ていきましょう。
【リマインド通知例】
①懇親会の詳細お知らせを送信、参加意思確認実施
②イベントの7日~10日前にリマインドメール送信
③前日にリマインドメール送信
SNSを活用する企業も増えており、こまめに通知を送信することで参加意識を高める効果が期待できます。
【出席ガイドライン例】
①内定者懇親会の服装マナーの明示
※迷いが出ない様、「ラフな格好」といった表記ではなく「Tシャツ」「Yシャツ」など品名表記にすると分かりやすくなります。
②交通費の有無、遠方の場合、オンライン参加できる環境整備
③開催目的、スケジュールの提示
研修を兼ねているか、入社後の事務連絡の有無、出席が内定受託とみなされるものか、任意で開催されるものか等もあると良いでしょう。
内定者懇親会の通知に具体的なプログラムを提示し、参加者が内容を把握できるようにすることも参加率が上がるポイントです。
内定者懇親会の成功には、リマインド通知と出席ガイドラインの用意を行うことをお勧めします。
成功!高評価事例・失敗⁉低評価事例
内定者懇親会の成功・失敗事例を知ることは、開催準備や当日の進行に重要です。
効果的なアイディアを取り入れ、参加者の満足度を高めましょう。
高評価事例 自信につながる実践的なセッション
ある企業では、内定者が即戦力として感じられる準備を行うワークショップや実践的なセッションを組み込んだ懇親会を実施し、非常に高評価を得ました。単なる交流会で終わりにするのではなく、内定者が将来の仕事に対する理解を深められる機会を提供することで、エンゲージメントが向上し、参加者のモチベーションアップに繋がりました。プログラムの組み立てに参考にしたい事例です。
低評価事例 一方的な開催、コミュニケーションに発展せず
失敗事例では、コミュニケーションのきっかけを作る場面がなく、参加者間の距離感を縮められず、逆に不安が増してしまったという事例です。このケースでは、アイスブレイクやグループ分けを工夫して行えば、参加者同士のつながりを築けた可能性がありましたが、「企業を知ってもらう」意識が強く出てしまった結果でした。
高評価を受けた事例から学び、避けるべき失敗を認識することが成功の鍵です。
成功事例をベースに計画を立てると共に、過去開催経験がある場合、振り返りや改善点を検証することで、内定者懇親会はより効果的となります。
フォローアップは継続的に
内定者懇親会が終了してからも、フォローアップと継続的な関係構築は非常に重要です。
内定者への継続的なコミュニケーションを実施することで、より効果的なフォローアップとなります。
過去の記事では、内定を出す時期による内定辞退の理由について記載しています。
内定者フォローのポイントとは?内定辞退防止のための施策も紹介
(JobSuiteメディア 2024年3月4日コラムより)
懇親会参加アンケートとお礼のメッセージ
懇親会に参加した内定者へのアンケートと感謝のメッセージは、内定者懇親会の終了後すぐに送ると効果がより感じられます。アンケートを通じて参加者からのフィードバックを得ることで、次回開催の改善点を具体的に把握することができるため、実施できた方が良いでしょう。
アンケートには〇☓形式の回答だけでなく、「どのセッションが一番印象に残りましたか?」や「改善して欲しい点は何ですか?」といった記入式の質問を含めることで、参加者が意見や感想を述べやすくなります。
また、感謝のメッセージは参加者との関係をより深めることが期待できます。
個別に具体的な貢献を伝えることで、参加して良かったと感じてもらえるでしょう。
具体的な貢献例では、「○○さんの積極的な質問が場を盛り上げました」や「○○さんの発言が非常に参考になりました」といった参加者の言動に対してのフィードバックが非常に価値のあるメッセージとなります。
感謝のメッセージを通じて、参加者との信頼関係を構築し、入社までのモチベーションを維持する効果も期待できます。アンケートと感謝のメッセージを欠かさず行い、充実した内定者懇親会を実現しましょう。
内定者コミュニティの形成メリット
また、懇親会以外に、内定者コミュニティの形成は企業と内定者の絆を深めるために非常に重要です。
内定者同士および企業側とのコミュニケーションが活発になることで、一体感を高め、早期離職を防止することができます。このため、内定者専用のSNSグループや定期的なオンラインミーティングを設けることで、自由に意見交換や情報共有ができる環境を整えることも視野にいれましょう。
コミュニティ内での情報共有は、内定者同士の助け合い文化にも寄与します。
新入社員同士コミュニケーションが取れていることで、業務に適応しやすくなり、結果として企業全体の生産性も向上するでしょう。
ただし、SNSなどのコミュニティは偏った思考になる可能性もあるため、放置せず、既存社員も参加できるよう設定した方が無難です。
まとめ:内定者懇親会を成功させる秘訣とは
内定者懇親会の成功の秘訣は、開催前と開催後の事前準備とフォローアップの充実がポイントです。
計画的に実施することで、内定者とのコミュニケーションが深まり、不安解消とモチベーション向上を促すことが出来るでしょう。
内定者懇親会を計画する際は、目的を明確にし、参加者全員が楽しめるコンテンツを意識しましょう。
また、開催後にはアンケートと参加お礼メールを実施し、次回への改善点につなげます。
懇親会以外にも定期的なコミュニケーションを続けていき、情報共有と一体感のあるコミュニティ構築が組織活性化への一歩です。

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