キャリア採用の成功ポイント:<br>選考のデータを活用し、採用活動全体のクオリティアップに役立てよう

キャリア採用の成功ポイント:
選考のデータを活用し、採用活動全体のクオリティアップに役立てよう

 キャリア採用は、新卒採用とは違い、各部門へ書類選考や面接の実施を都度依頼するプロセスが一般的な流れとなっています。また、候補者体験(Candidate eXperience)という名の下、各部門の担当者が行う”面接の良し悪し”は、目先の辞退発生に留まらず、自社の今後の採用ブランドの上下にも関わってきます。
 そのため「各部門の選考官は、実際にどのような面接を行っているのか?」という点については、人事担当者にとって非常に気になるところではないかと思います。…とはいえ、面接実施の様子を観察するために、人事担当者が「すべての面接現場に終始同席する」ということは、時間の制約上なかなか現実的ではありません。

 そこで今回、各部門を含めた選考活動全体のクオリティアップのために、人事担当者はどのような選考履歴のデータに着目すればよいか?について考えてみたいと思います。

選考活動のデータから、注視すべき項目

① 候補者側へ合否を返答するまでの時間

 キャリア採用において、選考のスピードは採用競争力を大きく左右します。
 まずは、合否の返答までに時間がかかっている箇所(目安としては3営業日以上)をデータから抽出・推定し、停滞の原因が「選考官側にあるのか?」、「人事側にあるのか?」、それとも「他の要因が関係するのか?」を明らかにしたうえで、適切な改善策を実施しましょう。
 また、やむを得ず返答が遅くなることが明らかな場合には、候補者側へ数日おきに進捗状況を伝えておくだけでも、辞退の防止策として効果が期待できます。

②辞退の発生点とその理由

 辞退の発生は、企業側にとって好ましくないイベントであり、その理由を正確に把握することが難しいという課題があります。
 まずは、辞退の発生点について情報を詳しく収集してみましょう。もしも「特定の選考官」や「特定の理由」、「特定のタイミング」に偏っている傾向が見られる場合、そこに問題が潜んでいるかもしれません。
 また、辞退の理由についても、候補者側に直接聞いてみたところで、本音と建前の使い分けから真実を掴むことは容易ではありません。ただし、その候補者が”エージェント経由での応募”の場合には、エージェントには本音を伝えている可能性もありますので、詳しくヒアリングしてみるのも有効かもしれません。

③職種や選考官ごとの合格率

 書類選考や面接の数を重ねていくことで、合格率はある程度の数値へ収束していくかと思いますが、他の職種および選考官と比較して「極端に合格率が低い」または「極端に合格率が高い」ものがある場合は、関連する選考プロセスに何らかの問題を抱えている可能性があります。
 例えば、特定の職種の書類選考時の合格率が低過ぎる場合「求人票の募集要項が的を得ておらず、見当違いの応募者を招いてしまっている」といった可能性があります。逆に、求人票での必須要件を厳しくし過ぎると、合格率は高くなるものの応募者数は減る傾向になるので、バランスも大切です。

 また、面接時の合格率が極端に高過ぎたり低過ぎたりする場合は「面接時の選考基準」に何か問題を抱えているかもしれません。嘘みたいな話ですが「自分より優秀な人材を入社させると、自らの地位が脅かされる」という理由で、優秀な人材を軒並み不合格にしてしまうような選考官も、なかには存在するそうです。

④エージェントごとの書類選考合格率の推移

 人材紹介会社を利用している場合、エージェント毎に集計した書類選考の通過率は、そのエージェントの「ゼロ次選考の精度」を測る指標として役立ちます。
 特定のエージェントからの推薦者の書類選考通過率が上向いていかない場合は、そのエージェントとの情報共有やフィードバックの内容に課題があるのかもしれません。一度ミーティングを行ってみるのは如何でしょうか?

選考活動データの収集・分析には、採用管理システムを利用しよう。

 前述に挙げたデータを収集するため、人事担当者がこまめに手作業で計測・記録を行うことは非常に大変で、流石に現実的ではありません。そこで、選考のワークフローを採用管理システムに丸ごと移行し選考を続けていけば、採用活動の改善に必要なデータを労せず手に入れることができるようになります。
 例えば、以下画像にてご紹介するのは、当社の採用管理システム ジョブスイートキャリア の「選考官レポート」機能で表示されるバブルチャートの画面です。ジョブスイートキャリアでは、前述のような「注視すべき選考官」を簡単に見つけ出すことのできるレポート機能が標準で備わっています。

 このように、採用管理システムを用いて選考データを蓄積し、多面的な視点からデータを観察できるようになれば、よりよい選考活動への打ち手を、より簡単・迅速に探ることができます。
 ご興味がございましたらぜひ一度お問い合わせいただければ幸いです。